ジ・オフィス シーズン3エピソード10「ベニハナ・クリスマス」より
文字通りの意味は「円が四角を得る」ですが、何の意味もなしません。
この表現は、アメリカの昔のテレビ番組が起源の表現のようです。HiNativeというサイトでriac007さんという人が解説してくれています。
its a referance to the old TV show Hollywood squares. its a Movie star trivia tic tac to game. a contestant would select a squre on thr board and if that movie star got thr question right they win thr square. X or O. then the host would say Circle gets thr square!
(訳)
https://hinative.com/ja/questions/2356855
これは、昔の「ハリウッド・スクエアズ」というテレビ番組がもとになっています。その番組は映画スターのトリビアの◯Xゲームです(筆者注: “tic tac to game” は◯Xゲームという意味の “tic tac toe game” のスペルミスと思われる)。参加者はボード上の四角を一つ選び、その映画スターがクイズに正解したらその四角を獲得できます。その四角に丸かバツが付くのです。そして司会者が “Circle gets the square!” と言うのです。
つまり、会話の中で “Circle gets the square!” という表現が出てきたら、ただ「正解だよ」ということではなく、ちょっとおどけてクイズ番組の司会者のノリで「ご名答!」というニュアンスがあるのでしょう。
では、さっそくThe Officeシーズン3「ベニハナ・クリスマス」でこの表現が出てくるシーンを見てみましょう。
エピソードの冒頭、ドワイトはとても嬉しそうに「メリー・クリスマス!」と言いながらオフィスに入ってきます。その手には、大きな鳥の死体。そしてその鳥をパムのいる受付のカウンターに載せます。
どうやら、出勤途中にガチョウを車で轢いてしまったとのこと。「クリスマスの奇跡だ!」と、とても嬉しそうなドワイト。
その様子を見てジムが受付にやってきます。
Jim: Merry Christmas, Dwight.
Dwight: Jim.
Jim: Wow. What have we got here?
Dwight: What does it look like?
Jim: Dead goose.
Dwight: And circle gets the square.
ジム: ドワイト、メリークリスマス。ドワイト: ああジム。
ジム: わお。それはなんだい?
ドワイト: 何に見えるんだ。
ジム: 死んだガチョウ。
ドワイト: はい、ご名答。
タイトルにもなっている「ベニハナ」は全米に展開する鉄板焼きのチェーンレストランです。Wikipediaによると、ヒロアキ・アオキさんという日本人が、ニューヨークのハーレムでアイスクリームのトラック販売を始めたのが起源で、「ベニハナ」という名前は、アオキさんのご両親が東京で営んでいたカフェの名前が由来だそうです。
恋人キャロル(演じるのはマイケル役のスティーブ・カレルの実の奥さんナンシー・カレル)に振られて落ち込むマイケルを元気付けようと、ベニハナにランチに連れ出します。そこでバイトのアジア系の女の子二人(接客してくれた二人とは別人)をオフィスのクリスマスパーティーに連れ帰ってくるマイケルとアンディーですが、二人とも黒髪でアジア系の顔で、途中でどちらが自分の相手か見分けがつかなくなるマイケル。いくらジョークとはいえ、今なら人種差別が過ぎて放送できなさそうなネタですね(笑)
パーティーでは、アンジェラがカラオケで歌うシーンが出てきます。パム役のジェナ・フィッシャーとアンジェラ役のアンジェラ・キンジーのポッドキャストOffice Ladysによると、アンジェラ・キンジーは人前で歌うのが大嫌いで、このシーンは本当に嫌で緊張していたそう。
胸の前で手を組んで歌うのですが、一回目のテイクでは緊張でその手に力が入り過ぎて、自分の爪が手に食い込んで跡がついてしまったそうです。それをドワイト役のレイン・ウィルソンに見せると、次のテイクではドワイトがアンジェラの前に跪いてマイクを持ち、さらに「パンパパパパンパン」とコーラスもつけてくれました。
ドワイトというキャラクターは変わり者で冷たくて意地悪ですが、演じるレイン・ウィルソンはすごく優しくて友達想いな人物だそうです。このシーンのドワイトは、ドワイトではなく緊張するアンジェラを支える良き友人レイン・ウィルソンだと、アンジェラ・キンジーとジェナ・フィッシャーは話していました。素敵ですね!
こちらもどうぞ
The Office が最高に面白い!アメリカ版ジ・オフィスの魅力を解説!
The Officeキャスト研究 | スティーブ・カレル(マイケル・スコット役)
The Officeキャスト研究 | ジョン・クラジンスキー(ジム・ハルパート役)
The Office S3:E11 “Back from the Vacation”より | Be deposed: 退任させられる
The Office S3:E9 “The Convict”より | Lead off with: 〜で始める
The Office S3:E8 “The Merger”より | Play one’s cards close to the vest: 手の内を見せないようにする
The Office S3:E7 “Branch Closing” より | Dollars-and-cents: 金銭的な