The Office が最高に面白い!アメリカ版ジ・オフィスの魅力を解説!

The Officeが面白い! The Office(ジ・オフィス)

やっと、やっと・・・!The Office(アメリカ版)が日本のストリーミングサービスにやってきました!

2023年5月20日現在、Huluでシーズン全シーズン(9シーズン)配信されています。

※残念ながら、Netflixは2021年12月末で配信終了してしまいました。

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私は、アメリカに留学していた時代にテレビでちょこちょこ見ていて、すごく好きだったのですが、日本で知っている人がほぼいなくて語り合えない寂しさがありました(笑)

アメリカでは本当にメジャーで、コアなファンも多い人気ドラマ。アメリカのストリーミングサービスで2020年に最も視聴されたドラマになっています

尚、アメリカのNetflixでは配信終了しており、NBCユニバーサルが独占的に配信しているようです。

そもそも、The Officeとは?

もともとは、イギリスで放送されていた同名のコメディドラマをアメリカのNBCがリメイクしました。※当ブログではアメリカ版について取り上げています。

シーズン1の1話目はイギリス版をほぼ踏襲して作られ、それ以降はアメリカオリジナルとなっているそうです。

ドライと言われるイギリスの笑いのセンスがふんだんに反映されているからか、シーズン1のマイケルの描かれ方は、正直言って、非常識・時代錯誤な考え方、差別的な発言etc.ばかりで、「なんだこの人??」と思ってしまう人も多いかもしれません。

シーズン2からは、ぶっ飛んでる部分は変わらないのですが、人間味のあるキャラクターとして描かれています。

実はこれ、ポッドキャスト“Office Ladies” にグレッグ・ダニエルズがゲスト出演した際に明かしていますが、シーズン1の視聴率があまり芳しくなく、シーズン2の制作は決まっていたものの、NBCからなんとかしろと言われたグレッグが考えた末に、「マイケルをもっと愛されるキャラクターにしよう」と決めたことによるそうです。

シーズン1で不快に思った人も、シーズン2を見始めたら、マイケルのこと好きになっちゃうと思います!(まんまと製作者の思うツボですね笑)

舞台はペンシルベニア州スクラントン(バイデン大統領の出身地でもあります!)にある、架空の紙販売会社「ダンダーミフリン」のスクラントン支社。撮影はシーズン1はロサンゼルスのカルバーシティーのビルを借りて、シーズン2からはロサンゼルスのスタジオにて撮影していたそうです。

そこで働く従業員の日常を舞台に繰り広げられるドタバタコメディ、といったところでしょうか。

と、書いてしまうとありきたりに聞こえますが、そんなことはありません!

The Officeの何が特別か、紹介していきます。

※裏話はパム役のジェナ・フィッシャー、アンジェラ役のアンジェラ・キンジーのポッドキャスト”Office Ladies“で聞いた情報です。

1.ドキュメンタリー風の「モキュメンタリー」

モキュメンタリーとは

mock(真似した) + documentary(ドキュメンタリー) = mockumentary

で、ドキュメンタリー風に作られたドラマを表す造語です。

え?これドキュメンタリー?と、初めて見る時はびっくりするかもしれません。

ドラマは取材クルーのカメラを通して見た世界が描かれます。そしてたびたび、ドラマの登場人物がカメラに向かって語る場面(「トーキングヘッド」と言います)が出てきます。

客観的に見た物語の進行と、それに対する登場人物の目線での思いが明かされることで、おもしろさ倍増です。

2.脚本がとにかく良い

まず、制作総指揮はアメリカのお笑いの金字塔のような番組「サタデーナイトライブ」や超長寿のコメディアニメ「シンプソンズ」などの脚本を手がけてきたグレッグ・ダニエルズ。オフィスにずっと「シンプソンズ」のキャラクター ホーマーのぬいぐるみが置かれているのはグレッグのシンプソンズ愛でしょう。グレッグは、アメリカでは超有名なコメディアン、コナン・オブライエンとハーバード大学時代からの親友で、ルームシェアもしていたそうです。コナン・オブライエンが本人役でカメオ出演しているエピソードもあります。しかもジム役のジョン・クラジンスキー、アンジェラ役のアンジェラ・キンジー、ケリー役かつ脚本も手がけるミンディー・ケイリングはコナンの番組でインターンをしていたことがあるそうです。

アンジェラ・キンジーとジェナ・フィッシャーのポッドキャスト”Office Ladies” にゲスト出演したグレッグ・ダニエルズ。
出典: https://officeladies.com/mentioned-on-podcast

脚本家は複数いて、アイディアを出し合ってストーリーのアウトラインを作っていき、その後それぞれの脚本家に担当エピソードがアサインされていったそうです。

もちろんコメディアン、コメディエンヌとしての役者たちの演技がすごいというのもあるのですが、アドリブは多くはなく、脚本の段階で練りに練られたセリフ、シチュエーション、間合いが秀逸なのです。

ジムを演じるジョン・クラジンスキー(日本語では「クラシンスキー」という表記を見かけますが、私には「クラジンスキー」と聞こえるので「クラジンスキー」を使います)は、グレッグ・ダニエルズに「コメディを演じるのではなく、ジムというキャラクターを忠実に演じてくれ」と言われたそうです。わざと面白おかしく演じなくても、それぞれのキャラクターを忠実に演じていれば、質の高いコメディ作品に仕上がるということなのでしょう。

脚本家の中には、グレッグ・ダニエルズの方針で、役者の経験もするべきとのことで実際にThe Officeのレギュラーメンバーとして出演している脚本家もいます。

ライアン役のB・J・ノバク

ケリー役のミンディー・ケイリング

トビー役のポール・リバースタイン

がそうです。

レギュラーではないですが、ドワイトのいとこモーズ役でマイク・シュアーも出演しています。

ドラマの制作現場では脚本家と役者が交流することはあまりないらしいのですが、The Officeの現場では脚本家たちの部屋を役者が訪れたり、脚本家が役者に意見を求めたりすることも多かったようです。「パムだったら、この時どうすると思う?」といったように。

制作陣のディテールに対するこだわりがよくわかるエピソードとしては、あるシーンでマイケルの上司ジャンを演じるメロラ・ハーディンが暗い色のマニキュアをしているのを見たグレッグが、「その色はジャンらしくない」とマニキュアを落とさせたということがあったそうです。

ちなみに、スターウォーズ エピソード7と9を監督した、あのJ J・エイブラムズはシーズン3エピソード17「カクテルパーティー」を監督しています。

3.物語の軸となる恋愛、人間関係、成長

単なるドタバタコメディーでは9シーズンも続きません。

ドタバタの中にも軸となり、変化していくストーリーラインがあります。

ここでは、3つほど語りたいと思います。

ジムとパムの恋愛模様

なんといってもこれ。The Officeはジムとパムのラブストーリーでもあるのです。

受付のパムと営業のジム。

ジムはしょっちゅう受付に行ってパムと雑談しています。二人でドワイトに対するいたずらをして遊ぶのも日常茶飯事。

誰が見ても仲良しで怪しい仲。

しかし、パムには3年間婚約していて、ダンダーミフリンの倉庫で働いている恋人のロイがいます。3年間も待たされて嫌気が差しているように見えるパムですが、別れる様子もなさそう。

一方、ジムは明らかにパムのことが好きなのですが、行動にうつすこともできず悩ましい状態が続いている、というのがシーズン1。

シーズン2以降も紆余曲折ありまくり。切ない場面やキュンとする場面が満載です。

いつのまにか、「この二人どうなるんだろう?」と引き込まれてしまいます。

シーズン2の最終話「カジノナイト」は、涙まで出ちゃいました。私の好きなエピソードの一つです。そしてこのエピソードの脚本は実はマイケル役のスティーブ・カレルが書いています。

ちなみに、ジムとパムにはこんなエピソードも。もともと、The Officeのオーディションで出会ったパム役のジェナ・フィッシャーとジム役のジョン・クラジンスキー。役者同士の相性を見るために一緒に演技をし、カメラテストも行いました。そこでジェナもジョンも、お互いに相性の良さを感じ取っていたそうです。

自分がオーディションに合格したと知ると「ジョンはどうなったの?」「ジェナはどうなったの?」とそれぞれ自分のマネージャーに尋ねたそうです。

マイケルとパムの友情・絆

いつもマイケルに理不尽な仕事を押し付けられたりするパム。

でもなぜかこの二人の間に次第に友情が育まれていきます。

普段は特に仲良しなわけではないのですが、どちらかが辛い時にそっと寄り添い味方になる存在、という感じです。

ダンディーズ鳥のお葬式、パムの展覧会、ディワーリー、マイケル・スコット・ペーパー・カンパニー・・・

気づかないうちに、少しずつ、絆が深まっていたんだなという場面が出てきます。

パムの成長

婚約して3年も待たされているのに何も言えず、別れることもできないパム。本当はアートの勉強をしたいのに婚約者ロイに反対され、諦めたり。

シーズン1、2あたりのパムは、言いたいことも言い切れず、やりたいこともやりきれない、一歩引いた感じの女の子でした。

そうこうしているうちに、いろいろうまく行かなくなり、その辛い体験を乗り越えて、強く成長していくのがシーズン3です。

シーズン3エピソード22「ビーチデー」はその集大成とも言えるのではないでしょうか。

パムの成長にも注目して見ていただきたいです。

The Officeは英語学習に向いてる?

このドラマ、名前の通りオフィスが舞台になっていますが、1話でも見ていただければわかる通り、あまり真面目な仕事の話は出てきません(笑)いわゆるビジネス英語の勉強にはあまりならないかもしれませんが、逆にカジュアルな場面で使われるイディオムや慣用表現を学ぶのにはうってつけ

エピソードごとに気になったボキャブラリーをピックアップしていますので、よかったらご覧ください!
The Office シーズン1
The Office シーズン2
The Office シーズン3

病院ものや弁護士もの、クライムサスペンスものの海外ドラマに比べると難しい専門用語などもなく、聞き取りやすいです。リスニングの練習にもおすすめ

また、ひとつひとつのセリフの詳細を聞き逃してしまっても、個性的なキャラクターたちの表情や動き、いたずらなどで十分に楽しめます。実はここが重要です。語学学習は継続することが大事なので、楽しんでできる方法がいいと思います。The Officeは1話が20分程度なのでサクッと見られるのも負担が少なくていいですね。

それから、「ああ、アメリカ人ってこういうのを面白いと思うのね」というのを垣間見れるのもいいです。特にアメリカに留学や駐在などで行く方は、見ておくと何かの役に立つかもしれません。

1話だけ見て「なんだこのはちゃめちゃな会社は!?」と思った方も、ぜひ2、3話と続けて見ていってください。いつの間にかはまると思います!あのオープニングテーマ曲が頭から離れなくなるかも!?

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