ジ・オフィス シーズン1エピソード2「人種の多様性セミナー」
エピソード1はイギリス版The Officeの脚本を踏襲していましたが、このエピソード2からはアメリカ版オリジナルだそうです。
このエピソードの脚本を手掛けたのは、ライアン役で出演もしているB・J・ノバク。当時、弱冠25歳だそうです。あふれる才能ですね。
原題は “Diversity Day”。日本でも「ダイバーシティー」に関する取り組みがなされる企業もあるかと思いますし、かなり浸透してきた言葉かなと思います。
発音としては「ディバーシティー」の方が近いですね。ただ、アメリカ人の中にも「ダイバーシティー」発音する人もいるようです。パム役のジェナ・フィッシャーとアンジェラ役のアンジェラ・キンジーのポッドキャスト”Office Ladies”で、ジェナが「ダイバーシティー」と発音していて、アンジェラが「ダイバーシティーって言ってる!?イライラするんだけど!」と言っているやりとりがありました。
さて、今回のボキャブラリーは
cop a squat 座る、腰掛ける
です。
コーポレートから派遣されてきたMr.ブラウンのダイバーシティートレーニングに納得のいかなかったマイケル。独自のトレーニングをするために、再び会議室に従業員を集めます。
Okay, let’s go! Let’s do it! Let’s have some fun, everybody. Here we go. Take a seat. Cop a squat. And um, thank you for coming in.
オーケー、始めるよ。やるよ!みんな、楽しもう。さあさあ。座って。席について。そして、えー、来てくれてありがとう。
直前に言っている “take a seat” と同じ意味ですね。”have a seat”, “grab a seat” もよく聞きます。
さて、トレーニングの冒頭で流す映像の中でマイケルがThe Office史に残る名言(ジョーク)のひとつを言います。
Abraham Lincoln once said, “If you’re racist, I will attack you with the North.”
エイブラハム・リンカーンはかつて言いました。「もしあなたが人種差別主義者なら、私は「北」であなたを攻撃する。」
リンカーン大統領は奴隷制度を廃止しました。奴隷制度廃止に賛成していたのが北部の人々で、南部の人々にとって奴隷はプランテーションと呼ばれる大規模農園の運営に欠かせない安価な人手だったため大反対。
そんな歴史的背景から、「当時奴隷制度廃止に反対した南部の人々のように人種差別するなら北部の人々を動員して攻撃するぞ」のような意味合いでしょうか?
もちろん、マイケルのでっちあげの言葉です。マイケルの浅はかさを表していると思います。
ちなみにこのジョークはトビー役で出演もしている、脚本家の一人、ポール・リバースタインが思いついたものだそうです。
このエピソードで、ジムはドワイトに大口顧客を横取りされます。年間のコミッションの25%も占めるクライアントを失ったジムですが、エピソード最後のトーキングヘッドでカメラに向かって、”not a bad day” だったと言います。なぜなら、会議室でパムと隣に座っていたところ、パムが眠り込んでしまいジムの肩にもたれかかってきたから。ジムにとってパムの存在がどれだけ大きいかよくわかると同時に、パムには婚約者がいることを考えると切なくなっちゃいますね。
そしてそして、このシーン、脚本には「パムがジムの肩で眠りに落ち、ジムは蝶が肩に止まったかのようにリアクションする」と書かれていたそうです。
すてきやん、B・J・ノバク!!!!