ジ・オフィス シーズン2エピソード7「クライアント」
本日のボキャブラリーはこちらです。
snooty 上流ぶった
さっそくこのワードが使われているシーンを見てみましょう。
今回のエピソードでは、ダンダーミフリン スクラントン支社の人員削減の危機を救う救世主となり得る大口クライアント候補との会食にマイケルと上司のジャンが挑みます。
オフィスで事前打ち合わせをするマイケルとジャン。もともとラディソンというホテルのレストランを予約していましたが、マイケルがチリーズ(カジュアルなメキシカンレストラン)に変更したと言います。(ラディソンもチリーズもアメリカに実在します)
Jan: So when we get to the Raddison, I’d like to…
Michael: Oh, I changed it to Chili’s.
Jan: Excuse me?
Michael: Raddison just gives out this vibe. It’s like “Oh, I’m doing business at the Raddison.” It’s kind of snooty, so…
Jan: You had no right to do that, Michael.
Michael: Here’s the thing. Chili’s is the new golf course. It’s where business happens. Small Businessman Magazine.
Jan: It said that.
Michael: It will. I sent it in. Letter to the editor.
ジャン: ラディソンに着いたら、まず、
マイケル: ああ、チリーズに変えましたよ。
ジャン: なんですって?
マイケル: ラディソンは、こういう印象を与えるでしょう、ほら、「ああ、私はラディソンで仕事をしているんだ」っていう。なんだか、上流ぶってるでしょ、だから・・・
ジャン: あなたに場所を変える権利はなかったわ、マイケル。
マイケル: つまりですよ。チリーズが、新たなゴルフコースなんです。ビジネスが起こる場所なんです。スモールビジネスマンマガジンによるとね。
ジャン: その雑誌に書いてあったのね。
マイケル: そのうち書くさ。送ったんだ。編集者に手紙を。
もう、本当にいい加減ですよね(笑)
会食が始まってからも、ジャンが仕事の話を始めようとしているのに、食事の注文を始めたり、ジョークを言ったり。
しかし、なぜかクライアントは大喜び。結局、夜までお酒を飲んで楽しみ、受注を取り付けます。
クライアントのクリスチャンを演じるティム・メドウズも「サタデーナイトライブ」に出演する一流コメディアン。スティーブ・カレルとティム・メドウズ、二人のコメディアンに挟まれて、笑わずに呆れた表情を保つジャン役のメロラ・ハーディンも大変ですよね(笑)
マイケルは、一見はちゃめちゃなようで(いや、実際はちゃめちゃですけど)、なんだかんだ優秀なセールスパーソンなのです。それは実は、イギリス版 The Officeのスティーブン・マーチャントとリッキー・ジャーヴェスからのアメリカ版陣営へのアドバイスの一つでもありました。パム役のジェナ・フィッシャーとアンジェラ役のアンジェラ・キンジーのポッドキャスト “Office Ladies” によると、彼らのアドバイスは2つ。
・マイケルを優秀なセールスパーソンとして描くこと。
なぜなら、イギリスでは使えない上司がいつまでも居座るのはよくあることなのでいいが、アメリカの視聴者には受け入れられないだろう、だから実は優秀という設定にしておくべき、と。
もう一つは、
・ジムとパムのロマンス
イギリス版は、シーズン2までで終わりましたが、アメリカ版は何年も続けるんだろ、だったら、視聴者を飽きさせないストーリーラインが必要だろ、と。
ジムパムといえば、このエピソードでは、オフィス屋上で花火(で遊ぶドワイトとケビン)を見ながらのディナー、iPodを一つのイヤフォンで一緒に聞いてダンス、とジムいわく「初めてのデート」を楽しむわけですが、婚約者のいるパム。これはジム側に感情移入しながら見ると、パムって本当に思わせぶりで悪い女ですよね(笑)
この、「本当のデートではないけどデートっぽいシチュエーション」は、ずっと脚本家たちが書きたかったけれど、どのようなシチュエーションにするか思案した末に、やっと念願かなって実現したシーンだったそうです。すごく素敵なシーンなのですが、その分ジムの気持ちを考えると、切ない・・・!
一方、マイケルとジャンが・・・・!この二人、この後面白い展開になっていきますので、そちらも楽しんで見ていってください!
こちらもどうぞ
The Office が最高に面白い!アメリカ版ジ・オフィスの魅力を解説!
The Office S2:E9 “E-mail Surveillance” | Grasp at straws: 藁にもすがろうとする
The Office S2:E8 “Performance Review” | To what do I owe this pleasure?: どういう風の吹き回し?
The Office S2:E6 “The Fight” | Catch-22: 逃れようのないジレンマ
The Office S2:E5 “Halloween” | Land on one’s feet: 困難をうまく切り抜ける